01 / 概要
神像7体、2週間
高さ2メートルを超えるギリシャの神像7体を、2週間でアイデアから現場まで届けなければなりませんでした。たいていの工房なら見送る案件です。それでもCristian Ricoは引き受けました。
02 / 概要
たいていの工房なら見送る依頼
Ricoは、コロンビアのカルタヘナを拠点とするクリエイティブディレクター兼3Dアーティストです。
彼の世界では、2週間では胸像ひとつ仕上げるのにも足りません。
依頼は、オリンポスの神々を実物大で7体……。従来の方法で作るなら、3か月、8人の人員、そしてたいていの工房が首を横に振るほどの予算が必要です。
Ricoの手元にあったのは、工房ひとつとプリンター1台。そして、うまくいくかどうか本人にも確信のないワークフローでした。


「かつてはチームで四半期かかっていたことを、ひとりで数日でできることに変えてくれるんです。」
03 / 概要
神々に身体を与える
最初の仕事は神に顔を与えることでしたが、時計の針はすでに動き出していました。Ricoに与えられたのは、7体のキャラクターに対して2日。通常のコンセプト段階なら2〜3週間はかかります。彼はAI画像ツールを使って古典的な重厚さを備えたフォルムを探り、キャラクターシート1枚を2〜3時間で確定させていきました。7体の神々に顔ができました。残るは身体です。
それらを立体にするため、Ricoは各コンセプトアートをTripoに取り込みました。1体のキャラクターを手作業でスカルプトすれば、8〜15時間かかることもあります。Tripoは10分足らずで実用的なベースモデルを返してきました。ゼウスのひげ、アテナの兜、ポセイドンの肩。まだ灰色のワイヤーフレームとはいえ、主要なシルエットはすでにそこにありました。

しかし、デジタルモデルはまだ手で触れられる彫刻ではありません。彼は各神像を、プリンターが飲み込めるサイズのパーツに分けました。頭部、両手、衣の重厚なひだ。そしてそれらをひとつずつマシンに送り込みました。一層また一層と、神々は物質としての重みを帯びはじめました。
プリントの後には、最後の物理的な作業が待っていました。やすりがけ、パテ埋め、骨組みとなるマネキンへのパーツの取り付け、そして大理石や古びたブロンズに見せるための表面の塗装です。最初のコンセプトから完成した像まで、ひとつの工房で1体あたり約10〜14日かかりました。


04 / 概要
像が立ち上がった瞬間
プリントした頭部を初めてマネキンに取り付けたとき、工房は静まり返りました。等身大で重量感があり、部屋の誰よりも背の高いゼウスが、突然彼らを見つめ返していたのです。
「シュールで、本当に笑えました」とRicoは振り返ります。「平面の画像とずっと向き合ってきたのに、突然それが重さと温度を持つんです。」続いてアテナを取り付けると、笑い声はやがて、部屋が誰かで満たされたような不思議な感覚へと変わっていきました。
会場では、ギリシャの神殿を模したホールに足を踏み入れたゲストが立ち止まりました。子どもたちはポセイドンの三叉の矛に手を伸ばし、大人たちは目の前にいるのは衣装を着た俳優なのかと尋ねました。

05 / 概要
スペクタクルの先へ:日々の実践
神話プロジェクトは看板作品ですが、TripoはRicoの日々の仕事の一部でもあります。彼は有料サブスクリプションを2つ契約し、ウェディングデザイン、イベント用のレンダリング、ファブリケーションに活用しています。神像の制作から間もなく、同じワークフローで大型のフラワーファサードを5日で作り上げました。
7体の神像は、彼のビジネスを変えました。モデリング時間は70%以上短縮されています。そのスピードが、クライアントとの会話を変えるのです。かつては高すぎる、遅すぎると思われたアイデアも、今では提案に盛り込めます。


06 / 概要
この先に見据えるもの
Ricoは今も、ChatGPT、Tripo、3Dプリント、レンダリング、そして伝統的な手仕事を組み合わせ続けています。彼にとっての価値は、AIが手作業に取って代わることではありません。AIは、本来ならプロジェクトを頓挫させかねない締め切りにも間に合うよう、実物の制作を加速させてくれるのです。
同じ考え方は、Tripoがこれからも探求していく、もっと静かな方向性も指し示しています。3D生成を活用して、文化に携わるチームが文明の記憶を記録し、脆弱な遺跡を保護・修復する方法を試せるよう支援することです。