01 / 概要
全体の考え方
このワークフローの核心は「まず骨組み、それから肉付け」。空間関係・スケール・レイアウトを最もシンプルな立方体で確定し、その後テクスチャや精細モデルへ段階的に置き換えます。全工程を通じて、Tripo が生成したモデルは不可逆なメッシュ変更を避けるよう特に慎重に扱ってください。
本記事では Codex を例にします(画像生成機能を内蔵しており扱いやすいため)。Claude Code でも Tripo API の画像生成機能と組み合わせれば同じフローを実行できますが、視覚理解力はかなり劣ります。
02 / 概要
守るべき原則
着手する前にルールを決めておきましょう。以下は全工程を貫くルールで、どのステップでも破ってはいけません。
- リファレンスは入念に準備すること。特にトップビューは必須です。最低 1 枚のトップビュー、できれば立面のアングルも数枚。リファレンスを見尽くす前に手を動かさないでください。
- AABB フェーズは占位のみ。最もシンプルな立方体で壁・床・家具の大きさと位置を明示し、この段階では造形やディテールに手を出さないこと。
- 命名とグルーピングは最初から規則正しく。すべてのオブジェクトに適切な名前を付け、「構造 / 家具 / 装飾」などのグループで管理します。さもないと後のメンテナンスが非常に苦痛になります。
- 「配置済みオブジェクトを除いたリファレンス」を生成します。テクスチャと資産の判断に入る前に、すでに AABB で占位済みのオブジェクトをリファレンスから隠します。この画像は不足の判断専用で、確定済みレイアウトを変更する根拠にしてはいけません。
- 壁・床・天井のテクスチャは 1 枚ずつ必ずチェック。向きの反転やミラーがないか、タイリングの繰り返し倍率が自然か、継ぎ目が許容範囲かを重点的に確認します。
- Tripo が生成したモデルへの非等比変更は厳禁。全体の等比スケール(X・Y・Z 比率固定)のみ可。単一軸の引き伸ばしは絶対にせず、Apply Transform(変換の適用)やメッシュへの変換ベイクも絶対に行わないこと。後からのロールバックが不可能になります。
- Tripo に送る各オブジェクトには単独のリファレンスが必要です。シーンのスクリーンショットからまとめて切り出すのではなく、各単体またはパッケージグループごとにクリーンなリファレンスを個別に出力します。
03 / 概要
多角度リファレンスを整える
すべてはリファレンスから始まります。今回の目標は、この実在する教室を Blender に再現することです。

元のリファレンスをもとに、Codex の AI 生成機能で重要なアングルを補完します(Tripo API の画像生成機能でも可能ですが、Codex 内蔵のほうが手軽です)。
- トップビュー(必須)。全体の平面関係を把握するために使います。
- 必要に応じて左・右・背面ビューなどを補い、高さと奥行きの校正に使います。
すべてのリファレンスで方向の定義を統一します。どちらが前面の壁か、左右をどう規定するか、Blender の 1 単位が実寸の何に相当するか。このステップを終えると、手元には reference_top.png(トップビューリファレンス)と必要な補助ビューが揃っているはずです。

04 / 概要
AABB ブロックアウトを組む
「構造 → 大型家具 → 小物」の順に立方体を配置していきます。
- まず床・壁・天井・ドアや窓の開口部を置き、空間を囲います。
- 次に機能的な大物:教壇・机と椅子・キャビネットなど。
- 最後に小さな立方体で鉢植え・掲示板・壁掛け・設備などのエリアを押さえ、置き忘れを防ぎます。
このフェーズは純粋なジオメトリの占位であり、モデリングはしません。完了したらブロックアウトの .blend を保存し、AI でトップビューとパースビューを生成して比率と位置を確認します。



05 / 概要
命名を統一しマニフェストを作る
命名は カテゴリ_意味_連番 形式を推奨。次に manifest(オブジェクト一覧)を生成し、オブジェクト名・意味カテゴリ・数量・サイズ・おおよその位置を記録します。その後、意味単位で統合・重複排除し、実際に生成が必要な資産の種類を洗い出します。
*_manifest.json と重複排除後のリストをエクスポートし、AI でカバレッジ確認画像を生成します。

06 / 概要
「配置済みオブジェクトを除いた」リファレンスを作る
Codex の画像生成機能で、シーン内で既に AABB が占位しているオブジェクトをリファレンスから隠すか消し、scene_without_placed_items.png を得ます。この画像は以降のテクスチャと資産補完のためだけのもので、再レイアウトには使わないこと。

07 / 概要
構造テクスチャを生成・適用(壁・床・天井)
前のステップで得た「除去済みリファレンス」をもとに、AI で壁・床・天井のテクスチャを生成し、対応する面に適用します。1 面貼るごとに次を確認:
- 向きが正しいか(上下反転やミラーの誤りがないか)。
- タイリングの繰り返し倍率が自然か、引き伸ばしがないか。
- 壁の角や床と壁の取り合い部の継ぎ目が許容範囲か。
このステップを終えると、基本マテリアル付きの .blend ファイルと検証用のレンダリング画像が手に入ります。





08 / 概要
資産戦略の評価:テクスチャか Tripo か
シーン内のオブジェクトを 3 種類に分けて処理します。
- 直接テクスチャ類:平面・浅浮き彫り・遠景のアイテム。ポスター、黒板の文字、掲示板の紙面など。
- Tripo 単体類:独立し外形シルエットが重要なオブジェクト。椅子・教壇・鉢植えなど。
- Tripo パッケージ類:強く結合し、一緒に生成した方が正確になる組み合わせ。「教壇+卓上の物品」など。
資産戦略表を整理し、AI で資産総覧図を生成して、各オブジェクトの処理方法を注記します。
09 / 概要
Tripo 用の単体リファレンスを準備する
このステップは必須です。「単体類」「パッケージ類」の一つひとつについて、Codex でクリーンなリファレンスを個別に生成します(Tripo API の画像生成機能でも可)。背景はできるだけシンプルに、体積構造がわかるアングルで。画像はまとめて tripo_inputs/ に置きます。AI に複数オブジェクトを 1 枚にまとめて生成させ、後で単体に分割しても構いません。



10 / 概要
Tripo API でモデルを生成し、プレースホルダーを置き換える
Tripo API でリファレンスからモデルを生成し(文末にパッケージ済みの Tripo3D Skill を用意)、生成モデルをシーンにインポートして、オブジェクトレベルの変換で位置と向きを合わせます。スケールは全体の等比のみ許可。
3 つの必須要件:
- 非等比スケールは行わない。
- Apply Transform はしない。
- AABB プレースホルダーレイヤーは残す。ロールバックと照合のため。
置き換え完了後、新しい .blend を保存し、AI で置き換え後のパースビューとトップビューを生成します。


11 / 概要
ライティングと雰囲気の調整
まず AI 生成リファレンスに照らしてライティングを監査し、次に照明を調整、露出は最後——この順序を崩さないこと。監査中は照明に触れず、次の 5 点を確認します。
- 主光の方向(窓光・日光がどちら側から来るか)。
- 床と机上のハイライト光斑の位置。
- 影の硬さ、接触影の階調。
- 室内フィルライトの強さと反射色。
- 窓外の明るさと室内のコントラスト関係。
次に光源のヒエラルキーを強い順に構築します。
- 主光:窓側の太陽光またはエリアライト。影と主方向を決定します。
- 次光:窓側の空や環境フィル。主光より明確に弱くします。
- 実用灯:シーリングライトや蛍光灯など。実在はするが明るさの主導にはしない。
- 弱いフィルライト:暗部の可読性を保つためだけに使い、明るくしすぎない。
ライト調整中は必ず守ること:
- 強い環境光やカメラフィルでシーン全体を明るくしないこと。
- 露出補正は最後の微調整専用。ライトのヒエラルキーの代わりに問題を解決させないこと。
- 窓は必ず透過を保つこと。窓が光を通さないと、外景も入射光も失われます。
ボリュームライトは任意で、局所のみ・低密度で使用。硬い光のエッジや「壁を貫く白線」を出さないこと。
反復の進め方:1 回につき主要な問題を 1 つだけ修正します。まずそのラウンドの目標を宣言し、パラメータを小刻みに調整、同一カメラで高速レンダリングし、AI リファレンスと比較して改善か後退かを判断——後退したらまずロールバックしてから続行。高速プレビュー *_light_pass_preview.png と、収束後の *_light_final.png を出力します。
12 / 概要
最終チェック
仕上げ前にこのチェックリストを一通り確認します。
- オブジェクトが選択可能で、誤ってロックや非表示になっていないこと。
- すべての Tripo モデルが等比スケールで、変換が適用されていないこと。
- AI リファレンスと視覚的に一致していること:構図・光の方向・オブジェクトの向き。
- バージョン管理保存:ブロックアウト版・テクスチャ版・Tripo 置き換え版が互いを上書きしないこと。
13 / 概要
納品バージョンと切り上げ時
納品時は最低 3 つのバージョンを残し、manifest・資産戦略表・主要な検証レンダリングを添付することを推奨します。
*_aabb_layout.blend—— 純粋なブロックアウト占位。*_aabb_textured.blend—— 基本の構造テクスチャ付きバージョン。*_tripo_replace.blend—— Tripo 置き換え後の完全版。
また、切り上げ時を知ることも重要です。以下が満たされたら、繰り返しの調整に大きな労力を注ぐのはやめましょう。微調整を続けても収益は急速に逓減します。
- 構図・主光の方向・核心的な空間関係が AI 生成リファレンスとほぼ一致している。
- 教壇・机と椅子・ドア窓・黒板など主要オブジェクトの比率と向きが正しい。
- テクスチャの向き・タイリングの繰り返し・見える継ぎ目がすべて許容範囲内。
- Tripo オブジェクトがすべて「等比スケール・変換未適用・ロールバック可能」の要件を満たしている。
ここまで来たら手動の微調整で仕上げるのが最善です。AI の視覚は向きと比率の理解が実はかなり苦手なので、終盤ほど自分の目を信じましょう。
14 / 概要
最終成果とツールキット
以下が、非常に長い調整と反復を経た最終画面です。

このワークフローをそのまま再利用したい場合は、パッケージ済みの Tripo3D Skill をダウンロードしてください。Codex などスキル対応の AI コーディングツールに入れれば、本記事の方法どおりに Tripo API を呼び出してモデルを生成できます。
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