
説明
「STARGRAVE」は、すでに解体が決まった静かな惑星 E-701 を舞台にした、レトロフューチャーな SF アニメーション短編です。惑星回収作業員の K は、いつもの回収任務のためにやって来ます。ところが小さな金色の整備車両に N-17 動力源を盗まれ、それを追ううちに地表の下へと導かれます。そこにあったのは、死にゆく惑星核を中心に築かれた巨大な文明の遺構でした。
整備車両は、そのエネルギーを自分のために奪ったのではありません。盗んだ動力で放棄されたアーカイブを目覚めさせ、親指の爪ほどの大きさしかない記憶チップを K に手渡します。そこに収められていたのは、採掘と、不平等なエネルギー分配と、犠牲によって自らの世界を生かし続けようとした社会の最後の記録でした。生命を支えるために築かれたシステムは、やがて守るべき人々そのものを食い尽くしてしまったのです。
Tripothon は参加者に「贈り物としての世界をつくる」ことを求めました。「STARGRAVE」では、その贈り物が記憶です。タイトルは意図的な言葉遊びで、STARGRAVE には「the star gave(星は与えた)」が隠れています。最期のときに、滅びた世界は見知らぬ者に自らの記憶を託します。蘇ることではなく、見届けられることを願っているのです。チップを持ち帰ることで、K は忘れ去られた人々に、誰かの記憶のなかで生き続ける未来を与えます。
チームは Tripo を使い、シャトル、金色の整備車両、動力モジュール、遺跡といったメカや建築の主要デザインを再利用可能な 3D アセットにし、スケール、向き、空間関係、ショット間の連続性を固定しました。そのうえで Seedance 2.5 によって、フランス・ベルギーのバンド・デシネの伝統に連なる、抑制の効いたシリアスな手描きのレトロ SF アニメーションのスタイルへと変換しています。DaVinci Resolve も制作ツールのひとつとして使われています。
Tripo の活用方法
「STARGRAVE」では、Tripo をコンセプト画像、一部の 3D モデル、重要ショットのプリビズに使い、コンセプト、モデリング、グレーボックスでのプリビズ、最終映像までをつなぎました。
- コンセプトとモデル:Tripo でコンセプト画像を生成して金色の車両、動力モジュール、シャトル、遺跡のデザインを探り、そのなかの中核となるモデルを再利用可能な 3D アセットとして生成しました。
- グレーボックスでのプリビズ:スケールが複雑なショットや方向を取り違えやすいショットでは、これらのアセットでグレーボックスのシーンを組み、フレーミング、カメラ、スケール、向き、メカの接続を検証して、ショット間の連続性を固めました。
- アニメーションへ:プリビズの結果をもとに、Seedance 2.5 で最終的な手描きのバンド・デシネ風 SF アニメーションを制作しました。


